古民家景観の維持
大泉村谷戸の古民家調査
〜 第1回:6月18日(金)の調査報告 〜
大泉村「谷戸(やと)」地区には、明治から昭和初期に養蚕を目的に建てられた、切妻の美しい古民家が数多く残り、美しい景観を形成しています。
私たちは、この地域の家並みは文化財であり、価値ある歴史的景観と考えています。
この家並みが将来も残っていくことを願って、民家の分布、保存状態などを把握するため
現況調査を始めました。
●大泉村谷戸の家並み
大泉村谷戸地区は、明治30年頃の大水害のあと、多くの家が建てられたため、
建築の様式や形に統一感があり、周囲の自然と調和して非常に美しい家並みです。
【この地域の家並みが、美しい理由】
1.建設年代が、同時期に集中している。
2.建築様式が、ほぼ一緒なので、景観に重要な統一感がある。
3.一般の農村集落と違い、一箇所に集中している。
4.土地の傾斜をいかされ、整然として見える。
5.屋根の妻側がデザイン的に優れている。
(職人の高度な技と感性の良さ)
6.現代風の建て直し住宅が極めて少ない。
●調査内容
調査地区を5区画に分け、今回は1区画を行いました。
【今回の調査内容】
a:敷地内の建物の数
b:用途・構造・仕上(屋根・壁等)
c:おおよその建設時期
d:外観写真
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■調査の様子 まずは、建築家の指導のもと、調査票の書き方を習い、 2班に分かれて調査スタート。 |
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■「こんにちわ」と何度か声をかけていると、 おばあちゃんが奥の方から出てこられ、 皆さん、非常に気持ちよく家の事をお話してくださいます。 水害に遭わなかった明治初期の建物や、「俺が30代の頃 建てたんだ」という昭和のお蔵もあり、 「やはり、聞いてみないと、わからないなぁ。。」 |
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■改修されながら、大事に管理された古民家を見ると 嬉しくなります。 しかし、空き民家も多く、壊されないことを祈るのみ。 住んでいる人たちは、歴史ある自分の家に誇りをもち、 地域の家並み景観に積極的な意識を持っていらっしゃいました。 |
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■現実は…… それにしても汚いなぁ、この電線による空間破壊。 ここは古民家の多い地域への玄関口。 |
歴史を刻んできた家を見るのは、想像以上に楽しく、
この調査に参加した人全員が、古民家にはまりそうです。
今後、残った4区画を行い、その後本調査を予定しています。
興味あるかた、どうぞ、ご参加下さい。