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八ヶ岳の森つくり

[春編] 「新緑の森で汗をかこう」 〜 樹木ウォッチングと森つくりの第一歩 〜


   日時 :5月22日(土)

飛沢の池を巡り、昨春から整備を続けている森に入ると、昨年11月に間伐を行った標準地には スポットライトのように明るい日差しが射し込み、新緑がひときわ美しく感じられました。

アカマツの植林をした森も、50年ほどの内にかなりいろんな下草が出てきています。 まずは、その下草の広葉樹の名前を覚えようと、各自興味ある木を選んで名札をつけました。 その広葉樹の種類の多さに、みんなでびっくり!
「ここは豊かな森ですね」「こんな森が近くにあったらなぁ」... にぎやかな樹木ウォッチングでした。

お昼から・・・待っていたのは、「新緑の森で汗をかこう」のタイトル通りの、 "汗びっしょり"の山仕事でした。

時折、パラパラ雨が降ったり、雷の音が聞こえたりと、不安定なお天気でしたが、 いつもの「晴れ男」「晴れ女」のパワー(?)で、雨に濡れた植物たちの森の香りを 存分に味わいながら、今年も幸先のよい、森つくりのスタートとなりました。

樹木ウォッチング ■ <樹木ウォッチングと名札付け>
整備された森では、ウルハダカエデがのびのびと枝を伸ばし、
30センチ程だだったコシアブラが倍以上に成長して
立派な葉っぱをつけ、その他、コブシ、サクラ、クマノミズキ、
ムラサキシキブなど、皆のびのびと元気に。
そして、そして、いままで見なかった実生も見つけ、
「これは95%ツリバナ」「こちらは、きっとテイカズラ」と大騒ぎ。
樹木ウォッチング ■ 「これは何?」「あれは何だ?」とワイワイ楽しく名札を付けて、
「よーし、今日は2つは覚えるぞ」と、何度も名前の確認です。
ササバギンラン ■ フタリシズカが群生し、ササバギンラン(画像)、
ツリガネニンジンなど、昨春は見られなかった野草も発見。
森の整備、光が入るようになると、多様な植物が育っていくという
森の変化を確かめることが出来ました。
チェーンソー講習 ■ <チェーンソーの扱い方の講習>
森の手入れに欠かせない道具であるチェーンソーの扱い方を
きちんと習います。
手入れ方法や、安全な使い方を教わりました。
特に目立て方法では、参加者共通の悩みがあるせいか、
身を乗り出して聞く姿も見られました。
チェーンソー講習 ■ <間伐材の玉切り>
昨年11月の間伐が、「葉枯らし伐採」といって、
冬季の、樹木が水分を吸い上げる量が少ない時期での
伐採方法である…という話を聞いたあと、
講師で林業家の小宮山さんから、「枝払い」「玉切り」の仕方、
注意事項が説明されました。
玉切り ■ 枝や木のハネ・反動を防ぐためにどの部分で切るか、
その時の自分の位置の取り方、など、
安全に作業を進めるための重要なポイントを
教えていただきました。
何箇所かに分かれて、昨年間伐した約20本の木を
次々に玉切りしました。
丸太の山 ■ アカマツの高さは約20mなので、2m位に玉切りすると・・・
なんと、200本もの丸太ができました!
7ヶ月寝かせていたとはいえ、その重さに汗びっしょり!
1本1本かつぎだすという、地道な予想以上の重労働に、
皆な口々「森つくりってこんなにしんどいものなのか...」
と実感したのでした。
いっぷく ■ それでも、皆さん、なかなか楽しそーですねぇ。
ひっぱりだこ ■ <間伐材の搬出>
昼食を挟んで、午後からはいよいよ搬出。
「ひっぱりだこ」という、ユニークな名前の搬出機材の登場です。
ひっぱりだこ ■ 40メートルぐらいの木と木の間に渡したロープに
滑車を付けて、それに玉切りした丸太を吊るして
動力で引っ張って運ぶという機材。
道際までの搬出は、これには大いに助けられました。
切り出し ■ ワイヤーにつけるのは、せいぜい4、5本。
少しずつ少しずつの搬出ですが、これが安全で着実なのです。
おんばしら ■ <おんばしら?>
いよいよ最後の丸太...
わっしょい、わっしょいっ!
こんな遊び心も、森つくりの楽しみです。
切り出した木の山 ■ 始めたときは、どうなるかと思った200本近い丸太を
道際まで搬出して、積み上げて無事に終了。
森から一本一本を運び出したのは参加者の人力。
結束した力の凄さを、改めて感じました。

<参加者のアンケート>によると、 参加理由のトップ2は
・木の名前や特徴を知りたい。森のことを知りたい。
・自然一杯の中で、体を動かして汗をかきたい。
でした。
今日は、その2つが実感できたのではないでしょうか?

昨春からの下草刈り、間伐、そして今回の搬出と 森つくりの、ひとつのサイクルを終えることが出来ました。
森を見るだけでなく、このように森に入って森に関わることで 森や自然の魅力が一段と分かるようになった...
そんな楽しい一年だったのではないでしょうか。

参加された方は、これからもどうぞ続けてご参加を! そして、まだの方はぜひ是非!次回はご参加ください。

(M.K)