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八ヶ岳の森つくり

[秋編] 「間伐材の利用を考えよう」


   日時: 2004年9月28日(火) 9:00〜12:00
   協力: 小宮山 敏文 氏(林業家)

久しぶりの晴天の八ヶ岳。
こんな青空の下で、間伐材の利用を考えると、きっといいアイデアが出るような気がする。
すでに集まった仲間は、”スゴイ”機械を囲んでいた。

間伐した木をストーブの薪にするだけでなく、なんとか材木として利用できないかと、
森で作業する人は誰しも考えているだろう。間伐材といっても、何十年も生きてきた
太くてりっぱな木も多い。しかし現実は、運び賃を考えるだけで、厳しい。
でも、そこに風穴を開けていこう!

製材機1 ■ その力強い味方がこの製材機。
オーストリア製で、山の中の現場で製材できるスグレモノ。
このレールの上に木を置いてハンドルを押して製材する。
レールは伸ばすことも出来るので、かなり長い木もOKだ。
製材機6 ■ 遊園地の機関車のように見えるが、この赤い部分に
のこぎりに当たる帯鋸があり、楕円に回っている。
製材機2 ■ 早速、実演に入る。
丸太をレールに載せ、動かないように留める。
手で、簡単にできる。
製材機3 ■ いよいよ、スタート。
まず、白いタンクの水を出して、次にエンジンをかけて、
そっ〜とハンドルを手前に引けば、刃はフル回転に。
あとは、ゆっくりと、自然に任せながら押していくだけ。
「えっ! こんなに簡単に挽けるの!」と驚きの声。
エンジンはホンダの4サイクル。音を考慮して日本仕様に
なっている。
製材機5 ■ では、女性を代表して。
本当に、簡単! 何の技も、力もいらない。
ただ、ゆっくりと押していくだけ。
この手押しだから、山の中の現場でも製材が可能なのだ。
製材機4 ■ 上側を平にして、次にひっくり返して反対側、そして左右
と4回製材すれば、角材も可能。
板にするなら、なんと、厚さ2mmの薄さにまで製材できる。

ただのカラマツの丸太も、製材されるとりっぱな材木に
なった。耳付きの板もなかなかいい。
本棚に、机にと夢は広い青空のように膨らんでいく。

厚さが自由に挽けるこのスグレモノの製材機を目の当たりにして、間伐材の製品化が現実味を帯びてきました。
話ははずみ、必ず、製品化しよう!ということになりました。
来年には、きっと「八ヶ岳の木」がお目見えします。ご期待を!

先日、中国で備長炭の輸出が全面禁止になった。理由は中国の森林が14%に減少して しまったからだ。もちろん輸入国は日本。国土の70%が森林の日本が「安い」という理由 だけで輸入し、日本の山を放置しているのは、どう考えてもおかしい。

小さな一歩だけど、八ヶ岳でできるところから始めていこう。

(A.K)