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"八右衛門湧水"そばの駐車場建設に見直しの要望

経緯

 八ヶ岳の裾野に広がる大泉村は、その名の通り、湧水にめぐまれ、利用されています。 その湧水の一つに"八右衛門湧水(はちえもんゆうすい)"---小泉に近い大泉村のいずみライン沿い--- があります。樹木の生い茂るなか、数本の湧水が流れ出ている静かでひっそりとした自然空間です。

 地元の人も「私も八右衛門湧水はよく利用します。好きな場所です。散歩で行ったり、夏の暑い日、 草刈りの後お弁当を食べたり・・格別です。」というように、本当に樹木に囲まれた八ヶ岳らしい自然空間です。

 現在、そこに、田園空間整備事業の一環として、湧水のすぐ脇に駐車場が建設されています。 (工事は8月15日まで)。 駐車場ののり面の一部は水が湧き出ているところからわずか2mのところにあります。 工事名は「景観保全施設工事」ですが、景観や自然環境保全の配慮を充分に考えた上での建設なのか大変が疑問があります。

<八右衛門湧水のある林> <駐車場工事の様子>
●工事の内容
 事業名:田園整備事業
 工事名:景観保全施設工事(明許)
 区間:山梨県北巨摩郡大泉村谷戸
 期間:3月31日から8月15日
     (峡北地域振興局農務部)
<木の根元に近い駐車場>

 古くから由来を伝承され、人々に親しまれ、守られてきたこの湧水を、安易な開発によって、 私達の時代に傷つけることは決して許されるものではなく、八ヶ岳の大切な資産を失うことに なりかねません。

 そこで、私達「八ヶ岳南麓景観を考える会」は、建設の見直しを要望することにしました。 この一歩が今後の公共工事の中で、「景観」に対する考えを一歩でも高めることに繋がって いくよう期待しています。

結果報告

少し自然と調和する駐車場になりました!

 自然に調和する駐車場にして貰いたいという当会の提案がある程度採り入れられたように思います。
会の方から大泉村に提案をだしたのは、工期があとわずか1ヶ月しか残っていないときでした。 にもかかわらず、工事関係者の理解と知恵の結果、自然と共生した駐車場に近づきました。

駐車場の大きさは変更できませんでしたが、 表面にウッドチップを敷き詰めた仕上げになり、 周りの森の雰囲気に合う感じになりました。 (右の写真)

 法面は土を固めた法面の下部分に石を一段入れたため、法面の威圧感が緩和されました。 (但し法面の位置はより湧水に近づいたかもしれない。) 駐車場(多目的スペース)は当初計画の舗装から砂利に変更され、更にウッドチップの採用となり、 法面には石組の採用など、会としての提案の効果があったのではないでしょうか。

小さな一歩ですが、このよう積み重ねが、八ヶ岳の美しい自然を守っていくことになるのだと 思います。