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北海道シーニックバイウエイ視察報告

晩秋の4日間、北海道シーニックバイウェイの視察をしてきました。
現在、国土交通省によって日本風景街道の施策が進められていますが、当会が他の7団体に呼びかけて
そのモデルルートに応募、八ヶ岳南麓風景街道の活動が始動したことは周知の通りです。

全国に先駆け、2年間の試行期間を経て2005年に正式発足したのが北海道シーニックバイウェイで、 現在4ルート(支笏洞爺ニセコルート、大雪・富良野ルート、東オホーツクシーニックバイウェイ、 宗谷シーニックバイウェイ)が登録され、他に5ルートが候補として検討されています。 シーニックバイウエイ
私たち(理事長 桑田、理事 三星)はこれらのルートのうち、東オホーツクシーニックバイウェイと、 大雪・富良野ルート、そして候補ルートの一つである釧路湿原・阿寒・摩周ルートをレンタカーで走り、 また2ルートの活動の中心となる方々から活動内容や運営方法等についてお話を伺ってきました。
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<見学ルート>
・東オホーツクシーニックバイウェイ:
  女満別空港→美幌峠→斜里町→ウトロ(知床)→知床五湖エコツアー参加→摩周湖
・釧路湿原・阿寒・摩周ルート(候補ルート):
  摩周湖→鶴居村→釧路湿原
・大雪・富良野ルート:南富良野→富良野→旭川空港
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なんといっても自然豊かな広大な北海道、景観阻害物といっても、一部を除き、広い自然の中では電線もそれほど 気にならず、看板は設置する必要もなく、羨ましい限り。活動の中心はむしろ、いかに人を呼んで活性化させるか、 にあるようです。その場合の今後の進め方に配慮をしないと、せっかくの自然という財産を失うことになりかねず、 それがこれから問われるのかも知れません。
シーニックデッキ ■シーニックデッキ
美幌峠の少し手前に設置されていたシーニックデッキ。ルートの国道38号線沿いで、特に見どころというのでなく、笹原と森だけのロケーションで、ドライブ中に車を出て外気を深呼吸して一休み出来る場所。景観にとって邪魔なものはなく、車の通行も少なく北海道の雄大さと空気だけを外く、に出て肌に感ずることができる。
美幌峠より ■美幌峠より
湖は屈斜路湖。道路は美幌峠へ登っていく国道243号の山岳ルート(東オホーツクでは、知床山岳ステージ、知床田園ステージ、知床流氷ステージの3つのステージに分類されている)で、景観への配慮は高く、昔訪れた時の美しさのままであったことは、大変嬉しかった。国立公園内でもあり、看板は無論なく、道路標識も最低限で、ガードレールは鋼線製。
ガードレール ■ガードレール
ガードレールは、当ルートに限らず走った道路全体にこの鋼線製が使われていて、風景の分断は避けられていた。ポールも茶色に替わりつつあった。更に、ポール内に反射鏡が取り付けられたものは、より一層周囲の自然に溶け込み、景観を大事にしていることが伝わってきた。
知床五湖とネイチャーガイド ■知床五湖とネイチャーガイド
東オホーツクシーニックバイウエイのお話を伺った副代表 藤崎氏はNPO法人知床ナチュラリスト協会の代表であり、そこの主催する知床五湖ガイドツアーに参加させてもらった。
知床が世界自然遺産に登録されたのは主に海洋生態系と陸息生態系との相互関係による特色ある自然生態系が評価されてのことであるが、見学するにはこの知床五湖が最大のスポットとなる。同協会ではここを中心としてガイドツアー等の事業を展開しており、知床の魅力に引き寄せられた若者たちがガイドとして活躍。若い女性ガイドはユーモアに溢れ話術もガイドも一級で、さりげなく知床の自然保護のPRに何役も買っているように見受けられた。 しかし、世界遺産による集客で、観光バスツアーを受け入れる知床五湖では、ハイヒール客もOKの誰でも参加型の観光政策であるようで、自然に対する過度の負荷(オーバーユース)が懸念される。
シカ止めの柵 ■シカ止めの柵
山岳エリアでは、道路に野生動物が出てきて事故に遭うのを防ぐため、この柵が設置されているところが多い。柵は写真のように森との境界部分に多く、かつ、モミなどを植えて景観への配慮もなされていた。
開拓農家と畑 ■開拓農家と畑
知床田園ステージで。写真のような北海道開拓の原風景ともいえる図も少なくなりつつあるようだ。ハウスメーカー製の家が多くなったせいかもしれない。厳しい気候故か、木質系の家は少なく、カラフルなサイディングの壁に青い屋根の家が目立つ。
花人街道 ■花人街道
大雪・富良野ルートは、他の自然豊かなルートとは違い、「花人街道」と名付けられているだけあって、自然景観が売り物というより、ラベンダー畑に代表される「人工的な」花が売り物。原色の花畑がそこここに。また沿道の花もけばけばしさが目立った。
深山峠 ■深山峠
大雪・富良野ルートで、マップでは「美しい」となっていた深山峠。大きく雑多な看板、のぼり、そしてこの脇の方には大きなビルがあり、壁面一杯に大きな「ダビデの像」の彫刻。これが「深山」峠だなんて、名前が泣きそう。
スノーポール ■スノーポール
どこの道路でも目に付く矢羽根スノーポール。この矢印の真下が道路脇の白線で、積雪期、車に白線の位置を示す。10mおきぐらいに設置され、北海道独特の風景になっているが、羽根の色だけでなく、スノーポール自体が景観上から論議に上っているとのこと。
防風・防雪柵 ■防風・防雪柵
防風・防雪柵も北海道独特のもの。これは、冬場の吹雪への対処のため、道路の風上側に設置されている金属製の大がかりな柵で、新しいものは景観への配慮が進み、冬以外の季節には折り畳み、眺望を確保している。写真は折り畳んだ状態。