景観ウォーク
秋の山里をたずねて in 旧清里(樫山地区)
日時 :2004年9月19日(日) 9:30〜15:00
コース:JR清里駅前〜北甲斐亭(樫山地区)〜風切り(五幹の松)
〜日吉神社〜昼食 風の三郎社(利根神社)〜東原地区
〜西原地区〜大滝〜北甲斐亭〜JR清里駅 (距離:約13km)
少し雲が多くて八ヶ岳は姿を表さないが、青空が次第に広がるまずまずの天気。
大変多くの参加者がそば処「北甲斐亭」横の農産物直売所に集まった。
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■まず、いろいろお世話になっている地元の淺川さんから 説明を聞き、古来から甲斐の三御牧の一つとして名高い 樫山地区の歴史・故事由来、そして見所を頭に入れて 元気にスタート。 |
<<<< そば畑は、花の盛りからは10日程遅いそうで、収穫の直前。 でも、稲穂の黄金色が、まだ緑濃い山並みに映えて美しい。 >>>> |
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■今回のウォークのテーマの一つは、雨、風、晴天にまつわる
三社参りをたどること。 まず、水不足に悩まされたこの地の人々が雨乞い祈願した、 八ヶ岳権現社へと防風林(風切り)の中を進む。 |
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■その石祠は五幹の松(アカマツの巨木)の根元に
ひっそりと置かれていた。 雨乞いの切実さと、山岳信仰がしのばれる景観。 枝越しに権現岳をと探すが、生憎と雲の中。 |
<<<< 森を下って、大門川からの灌漑水路に出る。大正時代に手掘りでつくられ、稲作を可能にした 貴重な水路は、地区の人々の再整備で、せせらぎや遊歩道が併設された。 コンクリートにせざるをえなかったようだが、自然のままの土手を残すなど、景観を大切に思う 心が伝わってくる。7月にはホタルをみることができるそうだ。>>>> |
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■その水路沿いの遊歩道を歩む。 車がめったに通ることの無い山裾の道に、 真っ白のガードレール。 事なかれ主義の惰性の施策を映した、悲しい景観。 |
<<<< 今年は山栗が豊作。参加者の列が、栗拾いで進まない。 そして、ススキがゆれて、ツリフネソウ、アキノキリンソウ、サラシナショウマなど 秋の花、そしてオトコヨウゾメやガマズミの実がもう赤い。 >>>> |
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■上手地区の貴重な茅葺屋根の古民家を見ながら、
集落を抜けて三社参り・晴天祈願の日吉神社へ。 杉の大木がうっそうと茂る社では、今も天候や作柄を占う 神事が続くそうである。 |
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■上手地区の田園景観をみながら三社参り・風除け祈願・
風の三郎社へと歩む。風の三郎岳(阿弥陀岳といわれる)
からの季節風・八ヶ岳おろしに悩まされたこの地がヒント
になったといわれるのが、宮澤賢治の「風の又三郎」。 思い起こすと、風の強さはもちろん、山里の小さな学校、 昔あったといわれる牧場、 川遊びの場など今回歩いてみても頷ける。 |
<<<< 昼食の後、東原のナラの大木に驚きながら、久保川に沿って下り、また山の中の道へ。 そして、西原の集落を抜けて「風切り」と呼ばれる防風林の中、見事なアカマツの大木の 林の中の遊歩道を抜けて、北甲斐亭へと戻る。林間から望むおだやかな田園景観に見とれる。 落ち葉でふかふかの道、「ゴミが無い」「あまり人に知られないほうが良い」 などの参加者の声が耳に残った。 >>>> |
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■最後は大滝見物。 結構暑かったので、滝のそばの涼しさが心地よかった。 我々には拾い切れない程のゴミが悲しくはあったが。 |
景観を創り出す自然、それとの闘いを含めた人々の暮らし、そして文化・歴史に思いをはせた
景観ウォークだった。
清里駅前の連休での賑わいのなかを抜け、本当に豊かな「旧清里の景観」の中で過ごせた一日を
感謝して、帰路についた。
(T.U, J.N)